ISOを使用してAlmaLinuxをインストールする¶
Attention
このページはx86-64 CPUを対象としています。
Attention
このページは、AlmaLinux 9のインストールを対象としています。AlmaLinux 8はこちらを参照してください。
ハードウェア最小要件¶
CPU¶
x86-64マイクロアーキテクチャレベルのうち、x86-64-v2以降が対象となります。例えば以下の命令がサポートされていないCPUは、インストーラが正常に起動しません。
- Streaming SIMD Extensions 4.2(SSE4.2)
- Supplemental Streaming SIMD Extensions 3 (SSSE3)
- POPCNT
- CMPXCHG16B など
x86-64のCPUでも、あまりに古いとAlmaLinux 9をインストールできません。
既にLinux環境がある場合、lscpu
コマンドで確認することができます。
# lscpu
Architecture: x86_64
CPU op-mode(s): 32-bit, 64-bit
Address sizes: 39 bits physical, 48 bits virtual
Byte Order: Little Endian
CPU(s): 4
On-line CPU(s) list: 0-3
Vendor ID: GenuineIntel
BIOS Vendor ID: Intel
Model name: Intel(R) Core(TM) i5-4670 CPU @ 3.40GHz
BIOS Model name: Intel(R) Core(TM) i5-4670 CPU @ 3.40GHz
CPU family: 6
Model: 60
Thread(s) per core: 1
Core(s) per socket: 4
Socket(s): 1
Stepping: 3
CPU max MHz: 3800.0000
CPU min MHz: 800.0000
BogoMIPS: 6784.49
Flags: fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm pbe syscall nx pdpe1gb rdtscp lm constant_tsc arch_perfmon pebs bts rep_good nopl xtopology nonstop_tsc cpuid aperfmperf pni pclmulqdq dtes64 monitor ds_cpl vmx smx est tm2 ssse3 sdbg fma cx16 xtpr pdcm pcid sse4_1 sse4_2 x2apic movbe popcnt tsc_deadline_timer aes xsave avx f16c rdrand lahf_lm abm cpuid_fault epb invpcid_single pti ssbd ibrs ibpb stibp tpr_shadow flexpriority ept vpid ept_ad fsgsbase tsc_adjust bmi1 avx2 smep bmi2 erms invpcid xsaveopt dtherm ida arat pln pts vnmi md_clear flush_l1d
sse4_2
、ssse3
、popcnt
、cx16
が含まれていれば、x86-64-v2以降(上記Intel Core i5-4670はv3)と判断できます。
メモリ¶
- 1.5 GiB
ディスク¶
- 10 GB(20GB推奨)
インストールISOイメージの入手¶
mirrors.almalinux.org Webサイトにリストされているミラーを選択し、適切なISOイメージをダウンロードします。
Attention
負荷分散の観点から、本家のrepo.almalinux.orgホスト以外のミラーサイトの使用も検討しましょう。
利用可能な3つのインストールISOイメージがあります。
イメージ | ファイル名 | 説明 |
---|---|---|
boot | AlmaLinux-version-architecture-boot.iso | インターネット経由でパッケージをダウンロードするネットワークインストールCDイメージ |
minimal | AlmaLinux-version-architecture-minimal.iso | オフラインインストールを可能にする最小限のDVDイメージ |
dvd | AlmaLinux-version-architecture-dvd.iso | ほとんどすべてのAlmaLinux OSパッケージを含むフルインストールDVDイメージ |
VMware Workstation Player上にインストールした実例¶
(1) VMware Workstation Playerを起動し、「新規仮想マシンの作成」を選択します。
(2) 新しい仮想マシンウィザードが表示されます。「後でOSをインストール」を選択して、「次へ」を選択します。
(3) 「ゲスト OS」で「Linux」、バージョンは「CentOS 8(64ビット)」を選択して、「次へ」を選択します。
(4) 「仮想マシン名」に任意の文字列、「場所」はデフォルトのままか、必要に応じて保存場所を変更し、「次へ」を選択します。
(5) 「ディスク最大サイズ」の値を設定し、「次へ」を選択します。
(6) 仮想マシン設定のサマリが表示されます。「ハードウェアのカスタマイズ」を選択します。
(7) ハードウェアの情報が表示されます。要件に応じてメモリ容量やCPUコアの変更、必要なデバイスの追加、不要なデバイスの削除を行います。
(8) 新規CD/DVD(IDE)を選択し、入手したインストーラISOファイルを指定します。ハードウェアのカスタマイズが終わったら、「閉じる」を選択します。
(9) 仮想マシン設定のサマリに戻ります。内容に問題なければ「完了」を選択します。
(10) 仮想マシンが作成されました。「仮想マシンの再生」を選択して起動します。
(11) インストールISOファイルが正しく指定されていれば、AlmaLinux8のブート画面が表示されるはずです。カーソルキーの上下で「Install AlmaLinux 8」にカーソルを合わせ、Tabキーを押します。
(12) 下部に起動オプションが表示されるので末尾に「inst.resolution=1024x768」を追加してEnterキーを押します。これは次以降の画面サイズを明示的に指定して画面が正しく表示させるためです。(VMware Workstation Playerでは指定しないとボタンが画面の外にはみ出て可視性が悪くなります。)
Info
この時点ではキーボードの配列が英語になっていますので、イコール(=)を入力する時はハット(^)キーを押してください。
Info
8.3までのインストーラーでは、resolution=1024x768
のように接頭辞inst.
をつけなくても問題ありませんが、8.4以降のインストーラーでは、途中で
Deprecated boot argument 'resolution' must be used with the 'inst.' prefix. Please use 'inst.resolution' insted.
とメッセージが表示されるようになりました。将来のリリースで廃止される可能性がありますので、inst.resolution=1024x768
のように接頭辞をつけたほうが良いでしょう。なお、inst.resolution
は、8.3でも有効です。
(13) しばらくすると、「ALMALINUX 8へようこそ」が表示されます。お好みの言語を選択します。本ページでは「日本語」を選択しています。「続行」を選択します。
(14) 「インストール概要」が表示されます。各種設定を行います。最低でも三角マークがついている設定を行ってマークがなくなるようにします。(15)から(23)までは各設定の実例を紹介しています。
(15) 「ネットワークとホスト名」では、IPアドレスやホスト名を指定します。本ページではDHCPで接続をオンにし、ネットワーク接続をしています。「完了」を選択すると、「インストール概要」に戻ります。
(16) 「日付と時刻」では、タイムゾーンを設定します。目的のタイムゾーンを設定し、(ネットワークに接続中であれば)「ネットワーク時刻」がオンになっていることを確認して「完了」を選択します。
(17) 「ソフトウェアの選択」では、用途に応じてインストールするパッケージ群を選択します。実例では、「ベース環境」を「最小限のインストール」に、「選択した環境用のその他のソフトウェア」で「ゲストエージェント」と「標準」を選択しています。設定が終わったら「完了」を選択します。
(18) 「インストール先」では、AlmaLinuxをインストールするストレージデバイスを選択します。実例では仮想マシン作成時に割り当てた20GBのディスク(sda)を選択し、ストレージの設定で「カスタム」を選択しています。
(19) 「完了」を選択すると、ストレージの設定で「カスタム」を選択したため、「手動パーティション設定」が表示されます。「新しいマウントポイントに次のパーティション設定スキームを使用する」でLVMまたはを指定し、「ここをクリックすると自動的に作成します」を選択すると、設定スキームに応じた設定が仮で作られます。
(20) ディスクやメモリ容量に応じてswap領域やマウントポイントが設定され、それぞれ容量が割り当てられるのでそのまま適用するか、容量やマウントポイントの調整を行います。設定が終わったら「完了」を選択します。
(21) パーティションの概要が表示されます。設定に問題がなければ「変更を許可する」を選択します。「取り消して手動パーティション設定に戻る」を選択すると、(19)の画面に戻ります。ここまでが「インストール先」の設定実例になります。
(22) 「KDUMP」では、カーネルクラッシュダンプの設定を行います。実例ではkdumpを無効にしていますが、有効にする場合は専用のメモリ予約容量を設定します。設定が終わったら「完了」を選択します。
(23) 「rootパスワード」では、管理者ユーザー(root)のパスワードを設定します。できるだけ英字(大文字小文字混在)、数字、記号を組み合わせて強固なパスワードを設定しましょう。設定が終わったら「完了」を選択します。弱いと警告が出ますが、「完了」をさらにもう一度押すことで設定されます。
(24) 三角マークはすべて消えた時点で、「インストールを開始」が選択できるようになりますので、設定内容に誤りがないことを確認のうえ、インストールを開始します。
(25) インストール処理が始まります。マシンの性能やインストールするパッケージの数によって完了時間が異なります。
(26) インストール処理が完了すると、以下のような画面になります。「システムの再起動」を選択して、再起動します。
(27) しばらくすると、以下のようなログイン画面になります。実例では、最低限のインストールを行っているのでCUIになっています。
(28) rootユーザーでログインし、ip aコマンドでIPアドレスを確認します。SSHがデフォルトで有効になっているため、ここからはリモートで操作することも可能です。